いつもと同じ秋
何でもないいつもと同じ午後だった
薄がゆれて柿の実が光り
子どもたちの声が遠くでひびく
ありふれた秋の午後だった
どこにでもある田舎道で
わたしは ふと方向を失い立ち止まる
音もなくまわり舞台が回り
見知らぬ風景の中に投げ出されたように
ひとは いつもこんなふうにして
幕間ももらえず 二幕目へと
押し出されるのかもしれない
覚悟を決めた初心者のように
わたしは おそるおそる
一歩を踏み出す